41年ぶりに円安トレンドに転換か、日本株は大相場へ【2012年3月28日】

 

 

2月14日のバレンタインデーに日銀が決めた追加量的緩和策=日本版QE1(量的緩和第1弾)で、日本経済の潮目は大きく変わったようである。まず、為替相場が大きく円安に振れたが、私はこの日本版QE1によって、円相場はニクソン・ショック以来41年ぶりに円高トレンドから円安トレンドに転換する可能性が高いと見ている。

 

白川日銀総裁は「1%の物価上昇率達成の目途が立つまで、月間3・3兆円、年間40兆円のペースで長期国債を市場から買う」とも宣言。これによって欧州債務危機が日本に飛び火するリスクも少しは軽くなった。米国に続いて昨年12月には欧州中央銀行も大々的な量的緩和政策を開始。

 

これで私が茶番と言い続けてきた欧州債務危機は一気に沈静化した。もし、これで日銀が追加量的緩和に動かなかったらどうなったか。欧州版QE政策によって、コテコテの茶番である欧州債務危機はほとんど終わってしまうので、格付け会社とヘッジファンドが欧州から日本に狙いを変更するのは時間の問題だった。

 

日本版QE1の最大の狙いは日本国債暴落を阻止するための防波堤を築くことにあったと思う。ヘッジファンドの日本国債へのアタックを回避するために、日銀も本当の意味での量的緩和を開始し、同時に実質的なインフレ目標政策を導入したのだろう。日米欧三極が量的緩和で資金をジャブジャブに供給したことのインパクトは計り知れない。

 

株式相場は世界同時株安から一転して世界同時株高に移行し、緩和マネーが株だけでなく、あらゆる投資商品に流入し始めている。投資家にとっては久々に大きく稼ぐチャンスが巡ってきたと言っていい。

 

●ゴールドマンの超強気レポート
日本版QE1は日本経済没落の原因である円高を180度転換させそうな歴史的な金融政策であり、日本株については「いま株を買わなければいつ買うのか?」と言いたくなるほどの絶好の投資チャンスが到来しているような気がする。少なくとも、外国人投資家の日本株に対するスタンスは完全に弱気から強気に変わっている。

 

もちろん、日本株だけでなく米国株や欧州株なども急反発していて、主要国で弱いのはバブル崩壊懸念が根強い中国株だけだ。
直近では3月21日にゴールドマン・サックスが株式の大相場を予言する40ページにもわたるレポートを発行。いわく「債券には長いお別れ(ロング・グッドバイ)を、株式には長き良き買い(グッド・バイ)を入れる時期が来たと見ている。

 

株式は今後2~3年に及ぶ長期上昇トレンドに乗ると予想する。株式のリターンは『一世代に一度の高さ』となるだろう」
ゴールドマンが書く、この手の大風呂敷なレポートはかなりの確率で的中する。2003年にも日本株の大相場を予想するレポートを出したし、05年にはいち早く原油価格が100ドル以上になると予想するレポートを発行している。

 

株式についてこれほど強気なレポートは他の外資系証券も、日本の証券会社も出していない。ほかに追随して大風呂敷なレポートを出してくる会社が現れれば、外国人投資家の投資スタンスは相当強気になったと見ていいだろう。物色対象は1月から人気化している低位株や割安株(低PBR株などのバリュー株)に加え、輸出関連株、不動産株、医療関連株など幅が広がってきた。

 

基本的には金融相場=過剰流動性相場(カネ余り相場)から業績相場に移行する過渡期に入ったと考えている。4月下旬から本決算の発表シーズンに入るが、円安が追い風になる輸出関連株の業績予想の上方修正に期待している。セクターでは自動車部品や調剤薬局、総合商社などが超低PERでもあり、上値余地が大きいと見ている。

 

 ※ こちらの原稿は、ファイナンシャルプランナー向けに執筆されたコラムとなっております。

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≪執筆者紹介≫

 

マネーリサーチ 山本 伸
1962年生まれ。マネーリサーチ代表
85年より、経済ジャーナリスト、株式評論家として、株式、金融情報に関する
執筆活動、および講演活動など幅広く活躍していらっしゃいます。
経済情報誌「羅針儀」を主宰。
株式新聞に「山本伸の株式調査ファイル」を連載中。
著書に、『超円安』(たま出刊)、『甦るジパング』(総合法令刊)、
『60分でわかる株のツボ』(北野誠氏との共著。ベストブック)、
『山本伸が選んだ買いの株67銘柄』(宝島)など。

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家計のつぼ
執筆者:家計のつぼ