低位株の大相場は第二ラウンドへ【2012年2月1日】

※ こちらの原稿は、ファイナンシャルプランナー向けに執筆されたコラムとなっております。

 

今年は解散総選挙が確実と見られている。株式市場では総選挙が近づくと低位株や仕手株が大相場になるというアノマリー(理論的に説明できない変則性)があり、最近はまさしくその通りになっている。

 

まず、昨年11月頃から新日本理化(4406)など仕手株が暴騰し、年明けからは日本橋梁(5912)などを筆頭に低位株の大相場が継続中だ。新日本理化は11月だけで276円から850円へ300%以上の上昇率となり、震災後の安値からは10倍以上となった。また、日本橋梁は年初の248円が2週間余りで1150円まで4倍近くに跳ね上がった。

 

ただ、さすがに低位株相場のリード役になってきた鉄骨・橋梁(きょうりょう)株や建設株など復興関連株や仕手系材料株は急反落し、調整局面に入った。先週は海運株にまで低位株物色の矛先が広がり、低位株全般の底上げ相場も最終段階に入ってきた。

 

先週で低位株相場の第一ラウンドは終了したと言えるだろう。しかしながら、東京市場は売買高も売買代金も急増していて、個人投資家の復権が見て取れる。信用買い残も震災直前の1兆8855億円からリーマン・ショック後以来の1兆2200億円程度まで急減。信用買い残の整理が着々と進み、低位株相場の第二ラウンドに向けた環境が整ったと言える。

 

今週から2月15日までは第3四半期の決算発表シーズンなので、建設株や海運株など低位株が多いセクター(業種)すべてが上昇するような相場は期待できず、好業績や好材料を発表した低位株の循環物色になる可能性が高い。
 
●大物仕手筋と解散総選挙

 

 低位株相場はこれまでの経験則から第二ラウンド、第三ラウンドあたりまであると推測する。去年の復興関連株相場も低位株が中心だったが、やはり第三ラウンドまで続いた。今年は解散総選挙が極めて濃厚なため、低位株には政治資金流入の思惑も重なる。さらに、来期の企業業績が2割程度の大幅増益見通しであることも追い風になり、去年以上の大相場になるのは確実と見ている。

 

前述した新日本理化を手掛けているのは、昨年8年ぶりに復活した著名仕手筋の加藤グループだが、彼らは決まって解散総選挙前に大相場を演出している。彼が前回、「泰山の会」を結成して主力銘柄に据えたのはアパレルのルック(8029)。03年初頭のことだが、当時のルックは200円台の低位株で、それが半年余りで2160円まで大化けした。

 

その3カ月後には当時の小泉総理が衆議院の解散を宣言。彼が一躍名をはせた宮地鉄工所(現・宮地エンジニアリンググループ、3431)の仕手戦も1979年12月から80年の秋ごろまでの相場で、株価は10倍以上に化けたが、この間も80年5月に解散があった。また、89年に本州製紙(現・日本製紙グループ本社、3893)を手掛けた際も、翌年1月に海部総理が解散を宣言したし、96年に「新しい風の会」で兼松日産農林(7961)を10倍以上に暴騰させた時も、示し合わせたように橋本総理が衆議院を解散している。

 

加藤銘柄には大量の政治資金が流れ込んでいるのでは?との思惑があり、その思惑ゆえに、買いが買いを呼ぶということもあるのだろう。このような「マル政銘柄」と言われる銘柄は他にもたくさんあるのだが、それが揃いも揃って低位株なのである。次期衆院選では橋下徹・大阪市長率いる「大阪維新の会」が300人の候補者を立てるとも言われていて、選挙戦は必ずしも自民党有利とは言えない。

 

そうなると選挙資金もかさむだろうから、株式市場では余計に低位株人気が盛り上がるかもしれない。

 

※ こちらの原稿は、ファイナンシャルプランナー向けに執筆されたコラムとなっております。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

≪執筆者紹介≫
マネーリサーチ 山本 伸
1962年生まれ。マネーリサーチ代表
85年より、経済ジャーナリスト、株式評論家として、株式、金融情報に関する
執筆活動、および講演活動など幅広く活躍していらっしゃいます。
経済情報誌「羅針儀」を主宰。
株式新聞に「山本伸の株式調査ファイル」を連載中。
著書に、『超円安』(たま出刊)、『甦るジパング』(総合法令刊)、
『60分でわかる株のツボ』(北野誠氏との共著。ベストブック)、
『山本伸が選んだ買いの株67銘柄』(宝島)など。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

家計のつぼ
執筆者:家計のつぼ